この記事ではインプラント治療の疑問について、これまでの私の臨床経験と知見を中心に分かりやすくまとめました。
インプラント治療とは
歯が数本~全てなくなった場合の保険適用外の治療方法です。
歯がなくなった時、チタン等のインプラント(人工の歯根〈歯茎に埋まって見えない部分の歯〉)を骨に埋め込み、その上にかぶせ物を作製し固定します。
多くの歯がない場合は、入れ歯の土台としてインプラントを入れる時もあります。
インプラントを入れるには手術が必要になり、また手術してから歯が入るまでには数カ月から半年ほどかかります。
インプラントの構造とは
インプラントは下記のように3つから構成されています。
フィクスチャー(人工歯根)+アバットメント(連結部分)+上部構造(被せ物)
インプラント治療では、最初にフィクスチャーを顎の骨に埋め込む手術(1次手術)を行います。その後、フィクスチャーが骨と結合するまで3~4ヵ月ほど待ち、2次手術、上部構造の作製を行います。
インプラント治療に年齢制限はありますか?
インプラント治療の年齢制限としては、一般的に20歳~70歳くらいまでと言われています。
20歳以下の方は顎骨〈がっこつ〉(あごの骨)の成長による問題があります。
70歳以上の方は、全身疾患等によりインプラント手術に耐えられる体力がない場合がありますので、担当の歯科医師に相談して下さい。
インプラントはどのくらいの期間もちますか?
インプラントに関しては、人それぞれの顎骨の質などが違うため、決まった寿命はありません。
ただ、10年以上に渡って顎骨に残っている確率が上顎、下顎ともに90%以上という報告があります。
インプラント治療の予後に関係する内容は、顎骨の質や量、咬み合わせ、年齢、全身疾患等により異なりますので、担当の歯科医師に相談して下さい。
今回はインプラント治療の疑問についてまとめてみました。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
葵会グループ
AOI国際病院 歯科口腔外科部長(神奈川県川崎市川崎区)
医療創生大学 歯科衛生専門学校校長(千葉県柏市)
田島聖士
【参考文献】
・新版家族のための歯と口の健康百科(伊藤公一他、医歯薬出版株式会社)
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