流通している歯科インプラントは300種類以上もあると言われており、インプラントに使用するスクリューやドライバーにも多くの種類があります。
自院で治療していないインプラントに対しては、まずインプラントの特定が必須であり、その後にそのインプラントに合うドライバー等の器材を準備する必要があります。
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現在、様々なインプラントに適合するいくつかのインプラントドライバーキットが販売されております。
この記事では、私が所有している3種類のユニバーサルリペアキットを比較し、その情報を記載しております。ヘックスドライバーの比較としては、先端部の径をマイクロノギスにて計測して検証しました。
また、最新のドライバー別のインプラント120種類を記載したブログはこちら、歯科インプラントメーカー(31社)についての記事はこちらをご覧ください。
インプラント120種類をスライドにまとめた「インプラント辞典」はこちらのnoteで販売しております。
3種類のインプラントドライバーキット
1.KTC マルチアバットメント スクリュードライバー
・ドライバーの種類(6種類):1.00mm Hex、1.22mm Hex、1.24mm Hex、1.25mm Hex、SCS、Unigrip
・ハンドドライバーホルダーの付属あり(ホルダー使用時は長さ25mm)
・トルクレンチの付属はないが、別売りで購入可能
2.歯科インプラント修復ツール ユニバーサルトルクレンチ(7種類14個)
・ドライバーの種類(7種類14個、ショートとロング):1.00mm Hex、1.20mm Hex、1.27mm Hex、1.40mm Hex、SCS、Unigrip、ANT
・ドライバーの長さは2種類で、ショート(S)は20mm、ロング(L)は25mm
・トルクレンチの付属あり
3.歯科インプラント修復ツール ユニバーサル インプラント修復ツールキット(8種類16個)
・ドライバーの種類(8種類16個、ショートとロング):0.90mm Hex、1.00mm Hex、1.20mm Hex、1.25mm Hex、1.27mm Hex、1.40mm Hex、SCS、Unigrip
・ドライバーの長さは2種類で、ショート(S)は20mm、ロング(L)は25mm
・トルクレンチの付属あり
各ドライバーの対応するインプラントシステムの一覧
・0.90mm Hex:Frialit2、Zimvie (Zimmer)の一部
・1.00mm Hex:Ankylos、POI
・1.20mm Hex:Osstem、Megagaen、Dio、IS-Ⅱactive、EMINEO
・1.22mm Hex:3i、Xive、Keystone (Restore・Stage-1)
・1.25mm Hex:Zimvie (Zimmer)、PLATON、BioHorizons、Alphatite、Mytis、Implatex (Legacy・InterActive・SwishPlus)、Sweden&Martina、TRI、STERI-OSS、Endpore
・1.27mm Hex:Dentium、CAMLOG、Shofu、Octafix
・1.30mm Hex:Astra Tech、IAT、μ-one
・1.40mm Hex:ICX、AQB
・SCS:Straumann(ITI)、GC
・Unigrip:Nobel、Neoss
・ヘキサロ:FINESIA
・4lobe:SPI
・クアッド:Prima Connex
※0.9mm Hexと1.00mm Hexのインプラントは、同じドライバーで使用可能です。
※1.2mm Hexと1.22mm Hexのインプラントは、同じドライバーで使用可能です。
※1.25mm Hex~1.3mm Hexまで(1.25mm Hex、1.27mm Hex、1.28mm Hex、1.3mm Hex)のインプラントは、同じドライバーで使用可能です。
ヘックスドライバー先端部の径を計測した結果の比較
ヘックスドライバーの比較として、先端部の径をマイクロノギスにて計測して検証しました。
1.KTCマルチアバットメントスクリュードライバー
・1.00mm Hex:実測 0.96mm
・1.22mm Hex:実測 1.20mm
・1.24mm Hex:実測 1.25mm
・1.25mm Hex:実測 1.25mm
2.歯科インプラント修復ツール ユニバーサルトルクレンチ(7種類14個)
・1.00mm Hex:実測 0.99mm
・1.20mm Hex:実測 1.20mm
・1.27mm Hex:実測 1.26mm
・1.40mm Hex:実測 1.38mm
3.歯科インプラント修復ツール ユニバーサル インプラント修復ツールキット(8種類16個)
・0.90mm Hex:実測 0.95mm
・1.00mm Hex:実測 1.10mm
・1.20mm Hex:実測 1.22mm
・1.25mm Hex:実測 1.27mm
・1.27mm Hex:実測 1.28mm
・1.40mm Hex:実測 1.39mm
3種類のドライバーキットの比較まとめ
KTCマルチアバットメントスクリュードライバーは、口腔内での使用というよりは技工時の使用を想定している製品で、ドライバーの長さは1種類であり、トルクレンチも追加での購入が必要となります。
ヘックスドライバー先端の形状は、3種類のキットともに全てキャリアヘックス型であり、「歯科インプラント修復ツール ユニバーサルトルクレンチ(7種類14個)」が、最もそのテーパーが強く使用しやすくオススメと感じました。下記のamazonリンクから購入できます。
下記写真は、3種類の1.00mm Hexドライバーの比較写真です。左から、KTC マルチアバットメント スクリュードライバー、歯科インプラント修復ツール ユニバーサル インプラント修復ツールキット(8種類16個)、歯科インプラント修復ツール ユニバーサルトルクレンチ(7種類14個)、になっています。
これらの情報が少しでも先生方の参考になれば幸いです。
臨床において、緊急でこれらのドライバーキットを使用希望の先生には、私物をレンタル致しますので、問い合わせ先からご連絡いただければと思います。
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