この記事ではホワイトニングについて、これまでの私の臨床経験と知見を中心に分かりやすくまとめました。
ホワイトニングとは
黄ばんだ歯を削らずに白くする処置のことで、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。
ホワイトニングは、薬剤によって歯自体の黄ばみを分解します。詰め物や被せ物はホワイトニングの効果はありません。
また、茶シブ、歯石等の表面の汚れは、専用の機械を用いてのクリーニングで落とすことが出来ます。
オフィスホワイトニングとは
歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行うもので、ホームホワイトニングよりも効果の強い薬剤を使用するため、1回施術による効果が期待できます。
1.歯のクリーニングを行う。
2.ホワイトニング剤を塗布する。
3.ホワイトニング効果の促進のために、特殊な光を当てる。
4.ホワイトニング剤を洗い流す。
5.ホワイトニング効果の持続のために、専用のクリームを塗り仕上げ磨きをする。
ホームホワイトニングとは
専用の薬剤とマウスピースとを使用して、毎日自宅にて自分自身で行うもののため持続的な効果が期待できます。
1.歯科医院で歯型をとり、専用のマウスピースを製作する。
2.自宅でホワイトニング剤を塗布したマウスピースを歯に装着する。
3.これを毎日数時間(2時間~4時間程度)行う。
デュアルホワイトニングとは
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方を行うため、最も効果が期待できます。
ホワイトニングの効果
効果には個人差がありますが、一般的には次のように言われています。
・ホームホワイトニング
1週間で歯の色が1~2トーンほど白くなり、2週間~4週間かけて2~3トーンほど白くなるイメージです。
・オフィスホワイトニング
1回で歯の色が2~3トーンほど白くなります。1週間に1回のペースで3、4回行うとさらに白い歯になります。ただ、ホームホワイトニングより後戻りが出てしまうことが多いです。
・デュアルホワイトニング
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを合わせた方法のため、歯の色が白くなりやすく後戻りも抑えられ、効果が最も期待できます。
ホワイトニングの持続期間
持続期間については、着色のある飲食物摂取、喫煙、歯磨きの仕方、施術後のケア等によって個人差がありますが、一般的には次のように言われています。
・ホームホワイトニング
効果持続期間は約6~12か月が一般的です。
・オフィスホワイトニング
効果持続期間は約3~6か月が一般的で、ホームホワイトニングよりも後戻りが出てしまうことが多いです。オフィスホワイトニングのみで歯の白さを保ちたい方は、半年に1回は歯科医院での施術が必要になります。
・デュアルホワイトニング
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを合わせた方法のため、6~12か月以上の効果が期待できます。
ホワイトニングの費用
費用について、歯科医院により異なりますが一般的な相場は下記になります。
・ホームホワイトニング
相場は2~4万円程度です(マウスピースが1.5~3万円、薬剤:約5千円/1週間)。
・オフィスホワイトニング
相場は1回の施術で3~6万円程度です。
・デュアルホワイトニング
相場は1回の施術で4~8万円程度です。
ホワイトニングで注意すること
・歯の黄ばむ着色の原因には、たばこのヤニ、赤ワイン等のタンニン、カレー等のクルクミン、緑茶等のカテキンによる色素沈着があり経年的に歯の着色は進んでいきます。歯を白く保つには、特に上記の食べ物摂取を出来るだけ控えるか、摂取後の歯磨きがとても重要になります。
・ホワイトニング前に、虫歯の治療をやっておく必要があります。ホワイトニングでは、虫歯は白く出来ませんし、着色した古い詰め物や被せ物も白くなりません。ホワイトニング前に歯科医師に相談することをお勧めします。
今回はホワイトニングについてまとめてみました。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
【参考文献】
・新版家族のための歯と口の健康百科(伊藤公一他、医歯薬出版株式会社)
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